住宅の購入は人生の中でも特に大きな買い物です。現金で買うのは難しいので、ほとんどの方は住宅ローンを利用して購入します。月々の返済額を減らすために頭金を用意した方が良いですが、目安も気になりますよね。
今回は、住宅の購入に必要な頭金の目安、頭金がなくても購入はできるのか注意点も一緒に解説します。

新築住宅購入時の頭金とは？

頭金とは「購入代金（住宅価格）」から「住宅ローン借入額」を引いた金額のこと。支払いは、売場契約から引き渡しまでの間に行います。

例えば3,000万円の住宅を2,500万円の住宅ローン借入で購入した場合、頭金は500万円です。手持ちの現金や親からの資金援助など、住宅ローン借入以外の方法で手配します。

 

頭金＋諸費用が必要

新築住宅購入時には、物件の購入費用にあてる頭金とは別に、さまざまな諸費用として支払う現金も必要です。

（諸費用の例）

・不動産屋に支払う仲介手数料
・住宅ローンの手数料
・登記費用
・手付金
・各種保険料　など

上記のような諸費用は、住宅ローンには含まれません。現金での支払いが基本なので、手持ちがまったくない状態では住宅を購入できないということです。

諸費用の目安は注文住宅、新築マンションの場合で住宅価格の3～6％です。この金額を除いた上で、無理のない頭金の額を決めましょう。

 

「頭金」と「手付金」の違い

「住宅を購入するなら手付金が必要」と耳にしたこともあるのではないでしょうか。頭金や諸費用との違いがよくわからない方も多いですよね。

手付金とは売買契約の「キャンセル料」のようなもの。決まった金額はなく、売り主との交渉で決まります。（10万円～売買価格の１割くらいで決まることが多い。）諸費用とは異なり、物件価格の支払いと別に用意する必要はありません。

住宅の購入はおおまかに「①売買契約②住宅ローン審査③決済」という流れで進みます。手付金は①の契約時に支払い、残りのお金は③の決済時に支払います。もし用意できない場合、貯金額を話して交渉する、親御さんやカードローンなどから一時的に借りるなどの方法をとられる方が多いです。

新築住宅の頭金はいくら必要？

新築住宅の購入に頭金はいくら必要なのか、もし頭金が用意できなければ住宅の購入は諦めないといけないのか気になりますよね。頭金の平均額を知ると自分たちの目安も分かるし、もしゼロでも住宅の購入が可能であれば夢が広がります。

頭金の目安

住宅金融支援機構が2020年8月4日に公表した「フラット35利用者調査」をもとに頭金の相場や目安を確認してみましょう。

注文住宅と新築マンションは20%前後、土地付注文住宅と建売住宅は10％くらいを頭金として用意しているようです。新築住宅を購入する場合、必要な頭金は住宅の価格に対して10～20%程度が目安です。

頭金ゼロでも大丈夫？

思ったより貯金ができなかったり親からの援助がなければ、新築住宅の購入は諦めないといけないのでしょうか？

かつては頭金ゼロで住宅ローンは組めなかったのですが、今は頭金ゼロでも新築住宅の購入は可能です。初期費用をかけずに家を買いたい人には魅力的ですね。ただし注意すべき点もいくつかあります。

 

・利息負担が増える

借入金の割合が増えるほど、合計で支払う利息額も高くなってしまいます。ただし最近は金利がとても低いので、利息の負担は少ないです。

 

・諸費用や手付金は基本的に現金で支払う必要がある

新築住宅を購入するには頭金とは別に、住宅ローンの手数料などの諸費用の支払いも必要です。頭金ゼロだからといって、必ずしもすべての費用が現金ゼロになるわけではありません。

 

頭金の金額を考えるときの注意点

頭金の目安はだいたい分かったと思います。ここでは頭金の金額に関して注意すべき点を３つお伝えします。

頭金ゼロ＝借入金額は増える

住宅の購入は、住宅ローンの借入金に対して利息がかかります。頭金ゼロで新築住宅を購入すれば、借入金額が増えて、それだけ利息の負担額も大きくなります。

ただし今は、変動型、固定期間選択型、全期間固定型どの金利も低いので、金利負担は少ないでしょう。

今から頭金を貯金するリスクを知る

「頭金ゼロで住宅を購入するのはコワイ！」「お金をたくさん貯めなきゃ！」と不安になったり、節約に励む人も多いですよね。

ただし、やみくもに貯金をしていても

・頭金を貯める間に金利が上昇しているかもしれない
・頭金を貯めるまでの家賃はかかる

このようなリスクもあります。

貯金すべてを頭金に回さない

一生懸命に貯めたお金をすべて頭金に回す人のは、あまりおすすめできません。病気やケガ、失業など人生は何が起きるのか予測不能です。最低限の生活が保障できるような現金は確保しましょう。

まとめ

新築住宅を購入する場合、頭金は住宅の価格に対して10～20%が平均的。しかし今は低金利なので、頭金ゼロのフルルローンで買われる方も多いです。ただし頭金がゼロでも、諸費用は基本的に現金で支払う必要があります。

また頭金ゼロでの購入は、借入金額が増えるので利息の負担額は増えます。そのため頭金を貯めようと躍起になるかもしれませんが、頭金を貯めている間に生じるリスクや現在の低金利も考慮したうえで決めると良いでしょう。