【2020年】新築住宅を購入したときの固定資産税の減税制度を解説
新築住宅を購入したときの固定資産税の減税制度は、令和2年までとなっていました。しかし、令和2年度税法改正で2年間延長。今のところ「令和4年3月31日まで」に建てられた新築住宅なら適用できることとなっています。これから建てる方もまだ使えそうなので、ぜひ制度について頭に入れておきましょう。
固定資産税とは?
固定資産税とは、土地や建物などの固定資産を所有しているとかかる税金。
毎年1月1日時点で持っている固定資産に対して課税されます。各市町村が課税するもので、基本的な税率は1.4%となっています。
固定資産税の計算方法
固定資産税=課税標準額×税率
「課税標準額」は原則として、固定資産税評価額となります。この評価額は、固定資産課税台帳に記載されており、毎年度市町村から送られてくる「納税通知書」で見ることができます。
固定資産税評価額は3年に1度、評価が見直されます。建物は古くなるほど評価額が下がるので、固定資産税は年数が経つにつれて安くなっていくというのが基本です。
しかし、新築住宅に対しては、この固定資産税を安くする制度があるので、一概に購入した最初の3年間が高いとはいえません。
新築住宅が対象!固定資産税の減税制度
固定資産税 |
都市計画税 |
|
税率 |
1.3% |
0.3% |
住宅 |
戸建て:3年間税額×1/2(長期優良住宅は5年間) マンション等:5年間税額×1/2(長期優良銃額は7年間) |
なし |
土地 |
小規模住宅用地:評価額×1/6 一般住宅用地:評価額×1/3 |
小規模住宅用地:評価額×1/3 一般住宅用地:評価額×2/3 |
制度の概要としては、良質な住宅の建設を促進するため、新築戸建て住宅にかかる固定資産税は新築から3年間、1/2に減額されるというものです。4年目からは、固定資産税の額は元に戻ります。
ただし、固定資産税を課税するのは各市町村。詳しい情報は、お住まいの市町村の情報を見ましょう。
減税される条件
徳島市の場合は、以下のとおりです。
・居住部分の床面積が50㎡以上、280㎡以下
・併用住宅では店舗・事務所などの部分は対象とならず、居住部分のみ対象(住居部分の床面積120㎡までが減額対象で、120㎡超の部分は対象外)
長期優良住宅は減税の期間が2年長い
また、長期優良住宅では、減額措置の適用期間が一般住宅より2年間長くなります。
長期優良住宅とは、長い期間にわたって良好な状態で使えるような、構造や設備をもった住宅のことです。耐震等級、劣化対策等級、断熱等級、床面積などの基準に適合すると、認定が受けられます。着工前に申請が必要なので、家を建てる前に工務店に相談しましょう。
住宅用の土地に関する軽減措置もある
また土地も小規模住宅用地であれば固定資産評価額が1/6に、一般住宅用地でも評価額が1/3に軽減されます。そちらも合わせることで、かなりの固定資産税軽減になるでしょう。なお、土地に関しては都市計画税も評価額が軽減されます。
新築住宅の固定資産税の減税をシミュレーション
それでは実際に、下記のようなケースについて、どのくらい税負担が軽くなるのか計算してみましょう。
【建物】
購入額2,500万円
固定資産税評価額1,500万円
【土地】
購入額1,000万円
固定資産税評価額700万円
※土地面積は200㎡以下、床面積は120㎡以下とする。
・減税なしの場合
【建物】
固定資産税=1,500万円×1.4%=21万円
都市計画税=1,500万円×0.3%=4.5万円
【土地】
固定資産税=700万円×1.4%=9.8万円
都市計画税=700万円×0.3%=2.1万円
固定資産税:30.8万円
都市計画税:6.6万円
合計:37.4万円
・減税ありの場合
【建物】
固定資産税=1,500万円×1.4%×1/2=10.5万円
都市計画税=1,500万円×0.3%=4.5万円
【土地】
固定資産税=700万円×1/6×1.4%=1.6万円
都市計画税=700万円×1/3×0.3%=0.7万円
固定資産税:12.1万円
都市計画税:5.2万円
合計:17.3万円
このケースでは、差額は約20万円にもなります。いかにこの制度で、支払う税額が安くなるかわかりますよね。
【関連記事】徳島の固定資産税の平均は?新築住宅での計算方法も解説
まとめ
新築住宅を建てると、最初の3年間は建物の固定資産税が半額となります。(長期優良住宅であれば5年間)土地については特に期限はなく1/6です。
他にも新築住宅を建てると、住宅ローン減税や登録免許税の引き下げなど、さまざまな軽減措置が受けられます。
固定資産税や都市計画税は、家を建てると毎年支払い続けなければならないもの。その金額も住居費として資金計画しておきたいですよね。どのくらいの固定資産税がかかるか気になる方は、住宅会社の担当者に「固定資産税はどのくらいになりそうですか?」と聞いて、大体の金額を計算してもらうのも良いでしょう。