新築住宅を狭小地に建てるときに知っておきたいポイント
人気の土地や、立地の良い場所に住もうとすると、問題となるのが土地の価格。そんな土地でも一戸建てを持つひとつの方法が、狭小地を選ぶことです。
しかし、狭小地に家を建てるときに心配なのが、広さや明るさ、暮らしやすさなど。今回は狭小地のメリット、そして狭小地に家を建てるときののポイントやおすすめの間取りをご紹介します。
新築住宅を狭小地に建てるメリットは?
狭小地に家を建てると、土地代が安くできるだけでなく、税金面でも恩恵が受けられます。
土地の値段が安い
まず、土地の面積が小さい分、土地の価格を安く抑えることができます。「都心部や利便性の良い立地に一戸建てがほしい」「予算が少ない」「土地代を抑えて、建物にこだわりたい」といった方に狭小地は人気です。
税金が安い
土地や建物の面積が小さい分、税金が安くなるというメリットもあります。家を建てるときにかかる不動産取得税、家を建てると毎年かかる固定資産税・都市計画税などが抑えられます。土地の固定資産税・都市計画税は、「小規模住宅用地の特例」といい、200平米以下の部分は税金が大幅に軽減される制度もあります。
新築住宅を狭小地に建てるときのポイント
狭小地だからといって、狭くて暗くて生活しづらい家を建てるのは嫌ですよね。3つのポイントを抑えて設計することで、狭小地でも快適な家を建てることが可能です。
ポイント1|視界の広がり
実際には広さのない部屋でも、視覚的に広く「見せる」ことは可能です。吹き抜けや天井高を上げるなど、上下方向に視界が広がるようにすると、床面積以上に広々と見えます。なるべく間仕切りは減らし、視界が奥まで抜けるようにするのもポイントです。
ポイント2|採光・通風
狭小地で隣家との距離が近いと、自然光を取り入れるのが難しくなります。夜しか家にいないなら良いですが、昼間はやはり光を取り入れた方が明るく広々とした空間がつくれます。採光や通風を確保しつつ、プライバシーには配慮し設計がポイントです。
ポイント3|デッドスペースの活用
狭小地の限られたスペースで部屋数や広さ、収納をしっかりとるには、階段下や屋根裏などのデッドスペースを無駄なく活用することも大切です。家具と壁の間に隙間ができるのももったいないので、造り付けの家具でお部屋にぴったりサイズの収納を設けるのもおすすめです。
狭小地におすすめの間取り
狭小地だからといって、採光や広さなど諦める必要はありません。工夫次第で、狭さを感じさせない家づくりは可能です。狭小地におすすめの間取りをご紹介するので、参考にしてみてください。
・3階建て
一般的な木造戸建ては2階建てですが、3階建てにすることで街中の狭小地でも3~4LDKが確保できます。例えばこちらの「街中を楽しむ3階建ての家」のように、1階を寝室、2階をリビング、3階を洋室にするのもおすすめ。狭小地でも、2階リビングならたっぷりと採光が確保でき、外からの視線も気になりません。
・屋根裏部屋
屋根裏部屋を設ければ、限られた敷地面積でもたっぷりと収納スペースをとることが可能です。「天井高1.4m未満」「下の階の面積1/2以内」等の条件を満たせば、”階”として扱われないため、固定資産税や保険料の節約にもつながります。こちらの「屋根裏部屋で遊ぶ家」のような広めの屋根裏なら、収納だけでなく、趣味や子供が遊ぶ空間、ベッドルームとしても活用できます。
・吹き抜け
吹き抜けにすると、狭小地の1階も暗くならず、自然光がたっぷりはいるようになります。空間も広くなるため、狭小地でも洗練された雰囲気をつくることが可能です。ただし吹き抜けの分だけ2階の面積が狭くなってしまうデメリットはあります。
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・リビング階段
廊下の面積が増えれば増えるほど、居室に使える面積は少なくなってしまいます。1階の廊下を最小限に抑えるのに有効なのが、リビングに階段を設けること。こちらの「無駄を省いた高効率の家」のように、階段下のデッドスペースもうまく活用したいです。
・スカイデッキ
スカイデッキとは、屋上に設けた外部空間のこと。狭小地ではなかなか広いお庭をとるのは難しいですが、スカイデッキなら広々としたスペースをとれます。子供の遊びスペースや家庭菜園、洗濯物干し、友人と集まってバーベキュー、イスとテーブルを出して食事やお酒を楽しむなど、多彩なシーンを楽しめます。
・L字型
狭小地でも駐車場をしっかりとりたい場合、家の形をL字にする方法があります。例えばこちらの「キッチンが主役の家」では、建物をL字型にすることで、2台分の駐車スペースを確保しています。L字型だと採光のとれる面が増えるメリットも。駐車場ではなく、L字の中央に中庭をつくることもできます。
まとめ
狭い土地はデメリットに感じますが、コスト面では多大なメリットがあります。視界の広がりや明るさをしっかり確保し、快適な新築住宅をつくりましょう。