これから新築住宅を購入するというとき、一戸建てにするかマンションにするか・・・と悩んでいる方も多いのではないでしょうか。今回は、どちらが良いか判断するため、戸建てとマンションの最新事情を比較しながら解説していきます。

 

販売価格はどちらが安い？

誰しも気になるのは、購入する価格が高いか安いかということ。新築住宅の戸建てとマンション、どちらの方が安くで購入できるのでしょうか。それぞれの価格の全国平均は以下の通りです。

 

⬛新築住宅の所要資金

マンション		4,437万円
戸建て	土地付き注文住宅	4,113万円
	建売住宅	3,442万円
	注文住宅（建物のみ）	3,395万円

参考／住宅金融支援機構「2018年度フラット35利用者調査」

 

物件購入費用だけ見ても、戸建てよりもマンションの方が価格が高い傾向にあります。さらにマンションはこの初期費用に加えて、管理費や駐車場代なども毎月プラスでかかることに。（詳しくは次項で解説します。）また、マンションによっては、最初に管理費・修繕積立金前納分として、1～2ヶ月分を支払わなければならない物件もあります。物件価格で見ると、戸建て住宅に軍配が上がりそうです。

 

ただし忘れてはならないのが、マンションは都心部や駅近に、戸建ては郊外に多いということ。同じ立地条件ならマンションより戸建ての方が価格が高い傾向にあるため、立地を重視するかどうかでも、どちらを選ぶべきか変わってくるでしょう。

 

維持費はどちらが安い？

住宅は購入したら終わりではありません。買ってからも、修繕費や税金などの維持費が継続してかかります。

結果から言うと、維持費は戸建てよりマンションの方がかかる傾向にあります。月にかかる維持費の例を下表にまとめました。

 

⬛1ヶ月あたりの維持費の例

	戸建て	マンション
駐車場代	–	2万円
管理費	–	1万円
修繕費	1.5万円	1万円
固定資産税	1万円	1万円
合計	2.5万円	5万円

 

上記の条件で30年住んだときのトータルの維持費は、戸建てで合計900万円、マンションで合計1,800万円。金額は目安ですが、維持費には倍ほどの差がつくという結果になりました。

 

また、戸建ての修繕費は自分で積み立てて、自分で修繕時期や工事箇所の計画を立てます。修繕費がかかる時期は調整できますが、月に1.5万円前後積み立てておくという方が多いようです。

 

資産価値はどちらが高い？

不動産の資産価値は「土地＋建物の値段」で決まります。

 

• 土地の値段：需要と供給のバランスで決まる。将来的に高くなる土地もあれば、安くなる土地もある。
• 建物の値段：経年とともに値段が下がってくるのが基本。一般的には耐用年数を迎えると、価値は0円に。

 

耐用年数は木造住宅で22年、マンションで47年なので、建物自体の価値はマンションの方が長持ちします。しかしマンションは土地の所有分が低いのに対し、戸建てはどんなに古くなっても土地全体の価値が残ります。

築10～20年以内の売却ならマンションの方が高く売れる傾向にありますが、さらに長い目で見ると、戸建ての方が資産価値が残る可能性が高いです。

 

住み心地はどちらが良い？

新築住宅を決めるとき、価格も重要ですが、防犯性やペット飼育、音トラブルなどの条件比較も欠かせません。戸建てとマンションの特徴を下表にまとめました。

 

	戸建て	マンション
防犯性	△ 窓などの対策が必要	◎ 防犯カメラやオートロック、管理人等
音トラブル	◎ 子供の足音が気にならない	△ 下階への足音が気になる
リフォーム	◎ 自由にリフォームできる	△ 管理規約で制限あり
ご近所との関係	◯ 濃厚で助け合える反面、人間関係が面倒なことも	◯ 希薄になりがちだが、同世代ファミリーが多い
バリアフリー	△ 階段部分がネックに	◯ 専有部分はフラット
管理	◯ 庭掃除など自分で行うが費用は安い	◯ 共有部分の掃除や管理はお金を払って委託
ペット	◎ 種類や頭数の制限なし	△ 管理規約で禁止のところも

 

どの条件を優先するかは、家族の希望によって異なります。マンションは音やペットなどの条件は悪いですが、セキュリティ対策や管理などが徹底しているのがメリット。「駅近が良い」「コストは高くても、建物の管理にわずらわされたくない」といった方はマンションが向いていそうです。

 

戸建てはバリアフリーや生活導線上、階段がネックになることもありますが、リフォーム等で自由に変えることができます。「ペットを飼いたい方」「小さな子どもがいて足音や声が気になる」といった方は一戸建てが向いているでしょう。

 

まとめ

マンションと戸建て、それぞれの初期費用や維持費、住心地などについて見てきました。どちらを選ぶか迷っている方は、「何を重視したいか」家族で話し合いましょう。希望条件に優先順位をつけると、おのずとどちらを選ぶか決まってきます。

 

新築か中古かで迷われているという方は、こちらの記事もどうぞ。それぞれの初期費用やランニングコスト、保証などの違いについてまとめています。

 

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