新築住宅の工事請負契約書を締結する前のチェックポイント
注文住宅を建てる際、ハウスメーカーや工務店などの業者と施主との間で交わされる工事請負契約書。
今回は、工事請負契約書を締結する前に知っておきたいチェックポイントについてお伝えしていきます。
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新築住宅の工事請負契約書とは?
工事請負契約書とは「こういう家を建てたい!」という注文者と施工業者との約束を文書化したもの。家の間取りや設備、費用や納期などが決まった段階で締結します。
請負契約の際は、以下の4つの書類がワンセットになっています。
①工事請負契約書
②工事請負契約約款
③設計図書
④見積書
工事請負契約書に記載できない細かな取り決めやは、工事請負契約約款に記載してあります。
設計図書は設計内容を示す書類で、設計図面や仕様書、構造計算書などを含みます。設計図ばかりに目が行きがちですが、細かい内装の仕上げ方や設備の品番などは仕様書で詳しく確認しておきましょう。
工事請負契約書のチェックポイント
工事請負契約書に署名、捺印すると、内容について変更や追加ができなかったり、追加費用が発生したりすることになります。そのため「次回までにハンコを押してきてください」と言われても、内容がよく分からないまま安易に印鑑を押すのは避けた方が良いでしょう。
ここからは、確認するべきポイントと、確認を怠るとどんなトラブルにつながるのかをお伝えしていきたいと思います。
間取りや設備などのプラン内容
仕様書には内外装の仕上げや、設備の名称、品番などが記載されています。打ち合わせ通りに指定されているか確認し、不明点があれば担当者に問い合わせると良いでしょう。
契約後のプラン変更は、追加料金が発生したり、工事の再申請が必要となり工期が延びてしまったりとデメリットも多いです。追加や変更工事をする場合、思った以上に費用が高額になることもあるため、口約束ではなく必ず書面で見積もりをとることをおすすめします。
見積書では細かい数量を記載せずに「〇〇一式」という表現がしばしば見受けられます。何にどのくらい料金がかかるのか理解しにくいので、やたらと「一式」の表記が多い場合は要注意。業者に詳細な見積りを出してもらえるようお願いしてみても良いかもしれません。
工事のスケジュール
工事が始まる「着工日」、建物ができあがる「完成日」、家の引き渡しを行う「引き渡し日」などの工事日程が記載してあるかを確認しましょう。
工程表などの資料などを見ながら、現実的にスケジュールが可能なのかどうかの確認を。もし「未定」などの項目があれば、必ず施工会社にいつ頃になるのかの確認をしましょう。
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また建物の引き渡し日が遅れた場合、引っ越しや仮住まいなど、本来かかるはずのなかった費用が発生してしまうことがあります。工事の遅れで引き渡し日が大幅に遅れてしまった場合の、遅延損害金の有無や金額についても相談しておくと安心です。
代金の支払い方法
代金の支払い方法と支払い期限、引き落とし日についても確認が必要です。
一般的には、着手金(請負契約締結時)、中間金(着工前と上棟時)、引き渡し時の残代金の3回に分けて支払うことになります。着手金や中間金の割合はそれぞれ3割前後が一般的です。完成前に支払う金額が多すぎないか確認しましょう。
また住宅ローンは、家が完成してから融資が実行されるのが一般的です。着手金や中間金など完成前に支払う代金については「つなぎ融資」の段取りが必要となります。
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瑕疵担保の期間
瑕疵担保期間とは、建物に欠陥があった場合、請負会社に責任を追求することができる期間のことです。新築住宅の瑕疵担保期間は最低10年が義務付けられています。引き渡し後は、瑕疵担保期間が過ぎる前に家の総点検を行い欠陥などがないか確認しておきましょう。
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またハウスメーカーによっては、瑕疵担保以外のアフターサービスや保証がつけられていることも。この内容や期間についても確認しておくと安心です。
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キャンセル時の対応
工事請負契約を交わした後のキャンセルは、たとえ翌日のキャンセルであっても違約金が発生します。
契約書にはそれぞれのタイミングでかかる違約金を定めていることが多いので、契約する際には、キャンセル時の違約金について記載があるかどうかの確認もしておきましょう。
やむを得ず、工事途中でのキャンセルが発生した場合、施主がそれまでかかった費用を負担しなければならないことが多いです。これに関しても違約金の定義など契約書に記載してあることが多いので確認しましょう。会社によって違約金の金額は違うので、住宅メーカー担当者に聞いておくことをおすすめします。
まとめ
工事請負契約書を締結する前のチェックポイントについてお伝えしました。契約書は枚数も多く、難しい単語も並んでいるため確認するのが大変かと思います。しかし、自分の理想の家を問題なく建てるためには抜かりないチェックが必要です。しっかりと納得したうえで、署名、捺印するようにしましょう。